「まだ早い」は思い込みかも?──ダウン症児とママが教えてくれた大切なこと(前編)
- 1 日前
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「歩けるようになってから」「言葉が出てから」「2時間空くようになってから」多くの人が“トイトレ開始の3条件”を信じています。でも実は、その根拠は科学的に十分検証されたものではないのです。ダウン症の男の子とお母さんが実践した“自然なおむつ外し”の体験を通して、「子どもが本来持っている力」を見つめ直します。焦らなくていい。でも、待つだけでもない。“できない”ではなく、“感じているかも”に目を向けることで見えてくる、親子にとっての新しい「排泄の幸せの形」をご紹介します。
「3条件がそろってから」は思い込み?
「おむつ外しは歩けるようになってから」
「おしっこの間隔が2時間くらい空いてから」
「言葉で“チッチ”が言えるようになってから」
いわゆる“トイトレ開始の3条件”として、多くの育児サイトや保育書で紹介されている考え方です。
けれど、実はこの3条件には十分な科学的根拠がないって知ってました?
多くの専門家が語る「トイトレ開始の3条件」は、厳密な検証がされないまま広まった“1960年代にアメリカの専門家が唱えた説”にすぎないのです。
この事実は、私の著書📘『赤ちゃんはできる!幸せの排泄コミュニケーション──おむつに頼りすぎない育児』の中の「トイレトレーニングの現状と歴史」で、エビデンスをもとに詳しく解説しています。
気になる方は、ぜひ読んでみてください。
「おむつ外しは3歳から」も思い込み?
最近の日本では「おむつ外しは3歳から」という説も広まりつつあります。
しかし、これにも十分な科学的根拠がありません。
この考えがさらに広がると、“おむつ外しの遅れ”がいっそう深刻化するのではと、私は強い危機感を持っています。
専門家の言葉に振り回されて、最終的に辛い思いをして苦しむのは、ほかでもない親子だからです。
一方で希望もあります。
「トイトレ3条件は思い込み」であることを、私の周りにいる重度自閉症やダウン症など発達特性のあるお子さんを育てるお母さんたちが、次々と実証してくれているのです。
今回はその中から、一組の親子の実例をご紹介します。
ダウン症児との「自然なおむつ外し」
0歳からの自然なおむつ外し(おむつなし育児)アドバイザーであるママが、ダウン症の息子・のび太くんとのおむつ体験を、インスタグラムで7回にわたり発信してくれました。
そこには、障がいの有無を越えて“子どもの排泄の力”を信じる姿勢がありました。
「ダウン症である前に、みんな一人の赤ちゃん。親も子も無理のない範囲で、できることから始めてみたらどうでしょうか。」
療育現場では「トイトレはゆっくりで」と言われることが多いですが、彼女はこう語ります。
「やってみてダメならやめればいい。最初から無理と決めつけるのはもったいない。」
専門家の意見を参考にしながらも、最終的な判断を自分とわが子で決めていく。その柔軟で自然な姿勢こそが、親子の信頼を育む第一歩なのです。
「赤ちゃんはオムツをつけて生まれてこない」
のび太くんのママの心に残る言葉があります。
「赤ちゃんはオムツをつけて生まれてきたわけではない。オムツをつけているのは大人の都合である。」
妊娠前にこの言葉に出会い、出産後に「早期からの自然な排泄の介助」を実践してみたそうです。
その結果──
👶 生後2ヶ月でおまるデビュー
💩 生後7ヶ月には排便のほとんどをおまるで
🪠 4歳ごろには親以外の大人にもトイレのサインを伝えられるように
もちろん順調な日ばかりではなく、体調や環境で波もありました。 それでも「子どもの力を信じて寄り添う」ことで、トレーニング的な働きかけをほとんどしなくても、排泄は自然な習慣として根づいていったのです。 のび太くんの0歳~4歳までの貴重な記録「オムツとトイレの話」を、ママが7回にわたってインスタ投稿されています。アカウントは非公開なのですが、ご本人の許可を得て、要約版をご紹介します。 👇とてもとても貴重な記録です。気になる方はぜひ、お読みください。
「トイトレ」と「自然なおむつ外し」は違う
多くの人が混同しがちですが、「トイレトレーニング」と「自然なおむつ外し」はまったく異なるアプローチです。
トイトレ:トイレですることを“教える”育児
自然なおむつ外し:子どもの排泄を“感じ取り、共に整える”育児
おむつ外しは焦る必要はありません。
でも、何もせず放っておいてよいものでもありません。
赤ちゃんの「できる・できない」にではなく、「感じているかも」にお世話する大人が目を向けることで、子どもが持つ排泄の感覚が少しずつ自然に育っていきます。
思い込みを外したとき、見えてくるもの
布おむつ時代の日本では、2歳前後でおむつが外れるのが一般的でした。それが今では3歳後半。 今の育児は “こどもの育ちを待つ育児(子ども主体の育児)”へと変化し、その点はとても良い流れです。 ただその過程で、「子どもが本来持つ力を信じる育児」が、いつのまにか置き去りにされてしまったのではないか…と思うことがあります。
「待つこと」と「信じないこと」は、似ているようで違う。
のび太くんママの体験は、そのことを教えてくれます。
障がいがあってもなくても、赤ちゃんは“排泄を感じ取る力”を生まれながらに持っているのです。
親子で気持ちいい排泄をめざして
「少しでも誰かのきっかけになれば本当に嬉しいです。」
のび太くんママの言葉には、すべてが詰まっています。 排泄の自立とは、早くオムツを外すことではなく、子どもが「気持ちいい」と感じられる身体感覚を大切にすること。
そのための第一歩は、私たち大人が“トイトレ常識の思い込み”を外して、目の前の子どもの排泄の本当の姿に寄り添ってみることではないでしょうか。
AIなどの高度な技術がどんなに進化しても、私たち人間が「生き物」である事実は変わりません。
そして生き物には自分の身体の内なる感覚を“感じ取る力”がある。
その“感じ取る力”こそが、これからの時代にますます大切になる“野性的な知性”ではないかと思うのです。
のび太くんとママが見せてくれた世界は、静かで、あたたかくて、そしてとても豊かでした。
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こどもと家族の排泄サポート研究所 代表 和田智代
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