実践ガイド
排泄は、子どもの心と身体の成長に深く関わる大切な営みです。でも、他のテーマに比べると、本当に必要な情報を教わる機会が少ないのが現状です。
この実践ガイドでは、一般的にはあまり知られていない子どもの排泄に関する大切な情報の中から、日常生活ですぐに試せるヒントや工夫を、基本情報・講座・参考書籍・アドバイザーリストとともに紹介。学びの入口として活用してください。
▶︎ 高齢者の在宅介護とおむつ
▶︎ 書籍
0歳からの自然なおむつ外し
(おむつなし育児)
“しつけ”ではなく“対話”する排泄サポート
赤ちゃんは、生まれたときから排泄の感覚を持っています。泣き声や表情、体の動きなどを通して、「今、出したい」というサインを、日々ささやかに発しています。
0歳からの自然なおむつ外し(おむつなし育児)とは、排泄をコントロールさせるための方法でも、早くトイレを覚えさせるためのトレーニングでもありません。
排泄という、とても基本的で大切な命の営みを通して、赤ちゃんと自然に通じ合う関係を育んでいく―それが、0歳からの自然なおむつ外しの考え方です。
新しい育児方法ではなくて、日本でも海外でも、昔から自然に実践されていた、赤ちゃんの排泄サポートの形です。

Ponit ① 「おむつなし育児」は、早期トイレトレーニングではありません
「おむつなし育児」と聞くと、
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おむつを使わない育児?
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家中を汚しながらやるもの?
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早くトイレでさせるための方法?
といったイメージを持たれることがあります。
けれど実際には、紙おむつや布おむつを上手に使いながら、できるときに“おむつの外で排泄する機会”をつくる育児です。
目的は、「早く外すこと」ではありません。赤ちゃんが、より気持ちよく排泄できる環境を大人が整えてあげること。そしてその過程で、親子の信頼関係を深めていくことにあります。
Point ② 排泄は、本来「気持ちのよい体験」です
赤ちゃんは、おむつをつけて生まれてくるわけではありません。「おむつの中で排泄する」のは、大人の生活や社会の都合の中で、あとから身につけていく習慣です。
本来、排泄は、身体が自然にゆるみ、終わったあとに心地よさが残る行為。おむつなし育児では、排泄を「隠すもの」「急がせるもの」ではなく、赤ちゃんの感覚を尊重する時間として捉え直します。
その積み重ねが、
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赤ちゃんのご機嫌な時間が増える
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赤ちゃんが「今、何を求めているのか」に気づきやすくなる
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親子のやりとりが、少しずつラクで楽しくなる
といった変化につながっていきます。
Point ③ 専門家も注目する、乳児期の排泄体験
近年、医療・保育・教育の分野でも、乳児期からの排泄体験のあり方に注目が集まっています。
子どもの便秘が専門の小児外科医・中野美和子先生 は、著書『赤ちゃんからはじまる便秘問題』(言叢社)の中で、乳児期に気持ちよい排泄体位で排泄する経験が、親子の関係性や子どもの快・不快の感覚に影響する可能性、便秘予防につながる可能性を指摘しています。
また、教育学者の 汐見稔幸先生 は、保育専門誌『保育通信』(2015年6月号/全国私立保育連盟)』の中で、「赤ちゃんが本来持っている育とうとする力を、大人がどう支えるか」という視点から、おむつなし育児の思想的な価値を語っています。
おむつなし育児(0歳からの自然なおむつ外し)は、特別な家庭だけの育児法ではなく、人間の自然な発達を見つめ直す一つのアプローチなのです。

中野美和子先生
小児外科医。元さいたま市立病院・小児外科部長。長年、排便外来で子どもの便秘治療に携わる。

汐見稔幸先生
東京大学名誉教授・元日本保育学会会長。専門は教育学、教育人間学、育児学。著作多数。
Poin④ ただし―おむつなし育児は「自己流」では続かない場合も
ここで、とても大切なことがあります。
おむつなし育児(0歳からの自然なおむつ外し)は、ネットなどの情報を少し読んで、なんとなく真似をすることで、上手くいく人もいます。一方で、最初は上手くいっていたのに、途中で挫折してしまう人もいます。
それには、次のような理由があります:
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赤ちゃんによって、月齢によって、排泄の様子が違う
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家庭の生活リズムによって、やりやすい形が違う
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「うまくいかない」と感じた時の対処方法を知らない
特に、「これで合っているのかな?」と迷ったときに、支えになる考え方を持っているかどうかが、大きな分かれ道になります。
間違った理解のまま頑張りすぎてしまい、親子ともにつらくなってしまうケースも、実際に少なくありません。

横抱きで

授乳しながらおまる

トイレや洗面台で

おまるを足で挟んで赤ちゃんを支える

おまるに座らせて

立った状態で(専用おまる、風呂場など)

一緒に座って後ろから支える
Poin⑤「やり方」よりも、「考え方」が大切
おむつなし育児に必要なのは、細かなテクニックよりも、
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子どもの自然な排泄自立の姿を理解しているか
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うまくいかない時に、どう理解して対処するか
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親自身の気持ちをどう整えるか
といった、判断の軸です。
こどもと家族の排泄サポート研究所では、そうした考え方の土台を、段階的に学べる講座を用意しています。
インスタでも様々なヒントをお伝えしてます。
講座情報
0歳からの自然なおむつ外し(おむつなし育児)の考え方と実践方法、赤ちゃんの排泄能力や発達の仕組み、挫折しないで実践するための様々なヒントとコツなどを学びます。赤ちゃんとの排泄コミュニケーションの先に広がる豊かな世界を知ることで、人生の最初から最期まで続く排泄という営みが幸せな人生に与える影響の大きさ・深さも理解できるようになります。
参考書籍
3歳からの幸せおむつ外し
3歳過ぎても“しつけ”ではない“対話”の排泄サポート
「3歳、4歳、5歳を過ぎても昼間のおむつが外れない!」「おしっこはトイレでできるけれど、うんちは紙おむつでないとできない」そんなお子さんが増えています。
3歳過ぎて「“トイレでした方がいい”ことは頭ではわかっているけれど、でもできない!」という状態にある子どもとのおむつ外しは、ちょっとしたきっかけてでこじれてしまいがち。スムーズに進めるには、子どもに対して色々とアプローチする前に、大人のマインドを整えることが、成功への第一歩です。
焦らず、イライラせず、子どものペースを尊重しながら進める「3歳からの幸せおむつ外し」のヒントをお伝えします。

講座情報
3歳以降の子どものおむつ外しが困難になる本当の原因、イライラせずにおむつ外しを進めるコミュニケーションスキルなど、一般的なトイレトレーニングではあまりフォーカスされない“大人の心を準備する方法”を中心に学びます。また、3歳以降の子どもに特化したおむつ外しの具体的な方法や、コーチングの考え方をベースにした相談対応のスキルも習得します。
参考書籍
子どもの便秘
赤ちゃん時代から便秘になるお子さんが増えています。乳幼児~小学生の約5人に一人が便秘だと指摘するデータも発表されています。それなのに、子どもの便秘についての正しい知識を持つ人はあまり多くありません。その結果、便秘が重症化して、長い間こどもがツライ思いをすることになってしまいます。
家庭や保育施設や学校など、子どもと関わるすべての大人が、子どもの便秘の正しい知識を持つことが、いま、求められています。
講座情報
講座では、子どもの便秘の原因と改善方法・予防方法に加え、食事改善や腹部マッサージだけでは改善しない様々なケースについて、医学的な視点から理解します。保育施設や健診など、子育て支援の現場で便秘相談を受けた際の具体的な対応も学びます。さらに、腸・腸内細菌・脳腸相関といった最新の研究知見を理解し、支援・教育に活かせる知識も習得します。

参考書籍
保育施設の自然なおむつ外し
今、保育現場では、「3歳、4歳を過ぎてもおむつが外れない」という悩みが増えています。保育者の養成校で「子どもの排泄自立の本当の姿」を教わる機会がほとんどないために、現場でこのような混乱が起きてるのです。保育者が「自然なおむつ外し」の知識とスキルを持つことで、保育という集団の場であっても、子どもが本来持つ力を生かした「子ども主体の排泄自立」をサポートすることが可能になります。
オンラインコミュニティ情報

参考書籍
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(準備中)
夜尿(おねしょ)
夜尿(おねしょ)は、多くの子どもにみられる自然な成長過程です。7歳児のおねしょ(夜尿症)の割合は約10%(10人に1人程度)ですが、年齢とともに自然に改善することがほとんどです。焦る必要はなく、夜尿のメカニズムや対応方法を理解してサポートすることが大切です。
講座情報
子どもの夜尿についての正しい知識と対応方法、病院受診のタイミングや考え方について学ぶ内容の講座になる予定です。(準備中)

参考書籍
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(準備中)
障がいのある子のおむつ外し
障がいのある子どもたちの排泄自立は、後回しにされがち。その結果、小学校に入学時に昼間のおむつが外れないケースが増えています。しかし、実は、障がいがあっても、乳児期からの自然なおむつ外しが可能になるケースがあります。
講座情報
障がいがある子どもとの自然なおむつ外しの考え方や具体的方法、ヒントやコツなどについて学ぶ講座になる予定です。(準備中)

参考書籍
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(準備中)
高齢者の在宅介護とおむつ
高齢者介護の分野でも、「おむつに頼りすぎない排泄サポート」の取り組みが行われています。高齢者の排泄サポートは、尊厳と自立を支える大切な取り組みです。おむつ内排泄を前提にするのではなく、「どのように心地よくできるか」「どうしたら無理のないサポートができるか」を一緒に考えることが出発点です。
講座情報
今後開催予定の講座では、家庭で家族が高齢者の「気持ち良い排泄」サポートをする際の考え方や具体的な支援方法、コツやヒントなどをご紹介する予定です。(準備中)

参考書籍
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ウンコ・シッコの介護学
書籍
こどもと家族の排泄サポート研究所(旧おむつなし育児研究所)による書籍
『幸せの排泄コミュニケーション~「おむつに頼りすぎない育児」という選択』
赤ちゃんの排泄能力の本当の姿と、おむつに頼りすぎることで起こる子どもの排泄トラブルなど、保育や医療の養成校や母親教室では教わらない「赤ちゃんの排泄の真実」がわかる貴重な一冊。8組の医療・保育の専門職による「おむつに頼りすぎない育児」収録。
和田智代(言叢社2018年)
おむつなし育児の具体的ノウハウと解説&豊富な写真で、おむつなし育児入門書としてお勧めの一冊。三砂ちづる氏による心温まるエッセイも魅力。
保育園でもおむつなし育児を継続してもらうためのヒント満載!
三砂ちづる(主婦の友社2020年)
『赤ちゃんにおむつはいらない-失われた育児技法を求めて-』
おむつなし育児に挑戦した40組の親子の実践記録を中心に、おむつはずしの変遷から、現代日本のおむつ事情、海外でのおむつなし育児の例を紹介。そして、昔の日本人の排尿間隔と身体技法などの研究をまとめた読み応えある一冊。
三砂ちづる編著(勁草書房2009年)
『おむつなし育児-あなたにもできる赤ちゃんとのナチュラル・コミュニケーションー』
おむつになるべく頼らないという考え方をもとに、月齢別の具体的ノウハウ、トラブル対処法までを網羅した実践的バイブル。
クリスティン・グロスロー/著・和田知代/訳(柏書房2009年)
おむつなし育児研究の一環「おむつなしクラブ」で、おむつなし育児を実践した母親による著作。実践者だから語れる感動や失敗談、それでも続ける理由など、おむつなし育児をリアルに解説。
西山由紀(柏書房2011年)
3歳過ぎても「おむつ全然外れない!」と思ったら最後に読む本 前編(マインド編)
3歳過ぎても「おむつ全然外れない!」と思ったら最後に読む本 後編(ノウハウ編)
「3歳過ぎてもおむつが全然外れない!」と悩んで、子育ての自信を無くしているあなたのための本です!子どもを変えようとする前に、大人のあなたの意識が変わるだけで、おむつ外しはもっと楽に進みます!その秘訣を大公開!前編(マインド編)と後編(ノウハウ編)の2部構成。
和田智代(Amazon Kindle 2023年)
その他の参考書籍
中野美和子(言叢社2015年)
『ナチュラルマザリング「 ビバ!布おむつ!!」布おむつからおむつなし育児まで全部わかる保存版! 』
NPO法人自然育児友の会(マザリングワークスLLP2009年)
アズマカナコ(文芸社2009年)
『親子で楽しむ!おむつなし育児 0歳からできるナチュラル・トイレトレーニング』
ローリー・ブーケ/著・望月美和/訳(河出書房新社2009年)
(原題:Infant Potty Trainings A Gentle and Primeval Method Adapted to Modern Living.)

『トイレット・コミュニケーションのすすめ : 母と子のチャレンジ』
現在絶版ですが、図書館などで見つけることは可能です。
幼児開発協会企画室(1992年)
海外で出版された参考書籍
『The Diaper-Free Baby: The Natural Toilet Training Alternative』
Christine Gross-Loh Reganbooks/Harper Collins(2007年)
和訳本あり:おむつなし育児-あなたにもできる赤ちゃんとのナチュラル・コミュニケーション、柏書房、2009年
『Diaper Free! The Gentle Wisdom on Natural Infant Hygiene』
Ingrid Bauer Plume(2006年)
『Diaper Free Before 3-The Healthier Way to Toilet Training and Help Your Child Out Of Diaper Sooner』
Jill M.Lekovic, M.D.(Three Rivers Press,(2006年))
『Infant Potty Basics : With or Without Diapers-The Natural Way』
Laurie Boucke(Lafayette, CO: White-Boucke Publishing(2003年))
『Infant Potty Training: A Gentle and Primeval Method Adapted to Modern Living-The Natural Way』
Laurie Boucke(Lafayette, CO: White-Boucke Publishing(2008年))
















