粉ミルク事件と紙おむつ(後編)
- 7月11日
- 読了時間: 5分

「途上国の粉ミルク事件って何?」「それと紙おむつとどんな関係があるの?」日本ではあまり知られていないのですが、深刻になりつつある問題です...
ちょっと長いので、前回(前編)と今回(後編)に分けてお届けしています。
前編の要約
前回の前編では、一般にはあまり知られていないけれど ーーーーーーーーーーーー 「途上国の粉ミルク事件」 (ネスレ事件) ーーーーーーーーーーーー っていうのがあって ーーーーーーーーーーーーー
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という映画にもなってるとご紹介しました。
グローバル企業が途上国で粉ミルクを精力的に販売した結果、途上国の貧困層の母親たちは、ちゃんと出ていた母乳がやがて出なくなって、粉ミルクに依存するしかなくなって。
でもお金がないから、粉ミルクを不適切に薄めて飲ませたり、不衛生な水で粉ミルクを作ったり、読み書きできないから説明書が理解できずに誤った量の水で粉ミルクを薄めて飲ませてしまった。
...その結果、粉ミルクが原因で多くの赤ちゃんが病気になったり、亡くなったりした
そして、この問題は過去のものではなく、現在も続いている。
...と、ここまでが
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途上国の粉ミルク事件(前編)
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の要約です。
前編をしっかり読みたい人はここをクリック
...で、後編の今回は ーーーーーーーーーーーー じゃあ、それと紙おむつと どんな関係があるの? ーーーーーーーーーーーー というお話です。
同じことが起きている
実は「途上国の粉ミルク事件」と同じようなことが、いま、紙おむつをめぐって、途上国で起こりつつあって、とても心配しています。
少子化が進む日本などの先進国では、子どもの紙おむつの消費はすでに頭打ち状態。
だからメーカーは当然、途上国という新しいマーケットに売り込みをかけています。
ただ、途上国の、特に貧困層にとっては、紙おむつはとても高価。
日本のように何十枚入りのパッケージを買う経済的余裕がない家庭も多く、雑貨屋さんで一枚ずつバラ売りしてたりします。
そんな高価な紙おむつだけど ✅オシャレなステータスシンボル ✅洗濯の必要がない (水道がない地域も多い) ✅長時間漏れないから安心&便利 …だから、途上国の紙おむつユーザーは毎年確実に増えています。
そして起きているのが、「汚れた粉ミルク」と似た現象。
高い紙おむつだから、当然、一枚の紙おむつをなるべく長く使おうとします。
今まで布おむつすらあまり使わず、リアルおむつなし育児を自然に普通にやっていた人々です。
赤ちゃんの排泄のタイミングやサインを読み取って、おむつらしきものはあまり使わないで、排泄のお世話をしてきた人々です。
おむつかぶれともトイレトレーニングとも無縁で、1歳半頃には排泄は自然に自立し、ましてや“オムツの長期使用も可能性ある原因の一つ”と疑われている膀胱腸機能障害(昼間尿失禁や便秘)などの排泄トラブルとも無縁だった人々です。
それが今、紙おむつの普及により、日本を含めた先進国で起こっている子どもの排泄トラブルと同じ状況に、直面し始めているようです。
紙おむつを使い始めたのはいいけれど、貧困層は現金収入が十分でないから、1枚の紙おむつを長時間使う傾向にあるので、先進国よりも問題が深刻化する可能性は十分にあります。
事実そうした問題を指摘する声は、すでにあちこちから漏れ聞こえてきています 『紙おむつを使用するようになって、赤ちゃんのおむつかぶれが増えている』
『紙おむつを使用するようになって、おむつ外れが遅くなってきている』 アジアやアフリカなどの途上国は、一年中、高温多湿な地域も多いから、そんな気候の中で、長時間、同じ紙おむつをつけていたら、赤ちゃんのお尻はとても辛いことになります。
エアコンなんてもちろん、扇風機だって、貧しい人は持ってません。そもそも電気がない地域も多い!
そして環境問題も...
適切なごみ処理システムがない多くの途上国では、どんどん増加する紙おむつゴミは、深刻な環境問題にもなっています。
ゴミ焼却施設がないから、その辺に捨てたり、土に埋めたり、川や海に捨てたり…その川や海は日本とも繋がっています…。
適切なごみ処理システムがない国で、紙おむつを安易に販売するのは、ちょっとマズいんじゃないかな...と私は個人的に思っています。
目指したい未来は...
紙おむつが象徴するように、私たちが「もっと便利に」「もっと快適に」を求めてきた結果、科学技術が発達し、たくさんの恩恵を受けてきました。
同時に「便利」「快適」を求めすぎた中で、失ってきたこともたくさんあります。
そのことについて、今、私たちは、ちょっと立ち止まって考える時期にきていると思うのです
私は決して
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おむつなんか使わないで
昔のような暮らしをすべきだ!
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と言いたいわけではありません。
便利なモノへの強い依存によって失われてきたこと/弱まってきたことにちゃんと気づいて、可能な限りそれらを取り戻しながら
どうしても必要な時には、高度な科学技術が生み出した便利なモノに助けてもらうという、バランスのとれた社会を目指したいのです。
それはきっと、古いけれど新しい
そして豊かで温かい ーーーーーー 懐かしい未来 ーーーーーー と呼べる社会のような気がするのです。
そしてそれが
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などの講座で、私たちが一番大切にお伝えしている事なのです。
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