知ってる?おむつが外れない原因が「実は便秘」という事実!
- 4月11日
- 読了時間: 4分

3歳を過ぎてもおむつが外れない!
「もう3歳を過ぎてるのに、おむつにうんちを漏らすから、トイレトレーニングを始められない」 「おしっこはトイレでできるけど、うんちの時は紙おむつに戻っちゃう」
こんなお子さんの様子に、戸惑いや心配を感じている保護者の方、意外と多いんです。実は最近、こうしたご相談が急増しています。
このような状況は、一見 “心の問題” や “トイレトレーニングの遅れ” と思われがちですが、実は“便秘”が隠れた原因であることがけっこう多いのです。
でも、一般の保護者はその事実を知りません。保育や保健医療の専門職の方でも、ご存じない方が多いのです...
3歳なのにおむつにうんちを漏らす
おむつ外しに悩む保護者の方の中には「「3歳を過ぎているのに、何度言っても叱っても、うんちをおむつの中に漏らしてしまう。だから、おむつ外しが進まない」というケースに直面する方が増えています
実はこれ、慢性的な便秘によって、直腸(肛門のすぐ上の部分)に便が溜まりすぎていることが原因かもしれません。
直腸に便がたまりすぎると、溜まった便が、時々崩れて漏れ出てしまうことがあります。
つまり、本人の意思で「出そう」としているわけではなく、勝手に漏れてしまっている状態です。
特に、小さいコロコロ便が頻繁に出るお子さんは要注意。「毎日、うんちは出てるから便秘じゃない」と思いがちですが、コロコロ便が続いている場合は、むしろ“便秘の典型的なサイン”である可能性が高い。
この場合、どれだけトイレの練習をしても、便が直腸にたまったままでは解決しません。まずは便秘の治療が最優先となります。
うんちだけ紙おむつ
次に多いのが、「おしっこはトイレでできるのに、うんちだけ紙おむつじゃないとダメ」
というケース。
これは一見「わがままなのかな?」「甘えかな?」と誤解されがちですが、この背景にも便秘が深く関係していることがあります。
便秘が続くと、便が硬く・太くなり、排便時に肛門が痛くなる経験をしがちです。一度でも「うんちが痛い!」という記憶ができてしまうと、その後、子どもにとって排便は恐怖になります。
特に、パンツを脱いでトイレに座り、一気に出すスタイルは緊張感が強くなりやすい。
その点、紙おむつをはいた状態で立って、少しずつ出すほうがまだ安心感があります。だからこそ、お子さんは「うんちのときだけは紙おむつをはきたい」と言うのです。
この状態を「わがまま」や「トイレトレーニングの失敗」と捉えるのではなく、**体のつらさからくる“防衛反応”**として見てあげることが大切です。そして、一刻も早く、便秘を治療してあげることが必要です。
3歳、4歳、5歳と年齢が上がっても、「うんちだけ紙おむつじゃないとできない」状態が続いている場合は、まずは「①便秘を疑い、適切な対応を取る」ことが最優先です。
もしも便秘でないことがわかったら、次の原因として「②トイレの環境に原因がある」「③子どもの心理的ところに原因がある」が考えられますので、それに応じた対策をとります。
専門職でも知らない人が多い
おむつが外れない原因が便秘だとう事実は、実は、保健医療や保育等の子育て支援専門職でもご存じない方が多い。でも、そうした専門職の養成校では、通常は教わらない事実なので、仕方ないのです。
ましてや、一般の保護者の方々が知らないのは当然です。
知らないから、3歳過ぎて何でもわかる子どもに対して、厳しく言えば良いのかと思って、「どうして何度言ってもおむつにうんちを漏らすの!」「どうしてトイレでうんちできないの!」と感情的に叱ってしまう。
...そして、叱った後で、「...ああ、また子どもをひどく叱ってしまった。ダメな親だ...」と自分を責めて落ち込む...
保護者にも便秘の知識が必要な時代
今、日本では、乳幼児~小学生までの「約5人に1人が便秘」という事実が、研究結果から明らかになっています。 ※1 ※2
こうした現状の中で、子育て支援専門職だけでなく、一般の保護者にも、便秘に対する正しい知識を持つことが必要とされています。
こうした現状を少しでも改善するお役に立ちたくて、私たちこどもと家族の排泄サポート研究所が小児便秘の専門医の中野美和子先生(小児外科医)からの強力なサポートを得て作り上げたのが
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<家庭と病院を結ぶ>
子どもの排便&便秘アドバイザー養成講座
https://courses.omutsunashi.org/benpi
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便秘の情報を必要としている一人でも多くの方に、正しい情報が届くことを祈っています(^^)/
―――――――――――― ※1『親と子の便秘に関する意識調査』NPO 法人 日本トイレ研究所 ※2『0~3歳児の排便・食事・睡眠に関する調査』NPO 法人 日本トイレ研究所
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