「焦らなくていい」と「何もしなくていい」は違う――0歳からできる自然なおむつ外し
更新日:3 分前

「おむつ外しは、焦らなくて大丈夫ですよ」
子どものおむつがなかなか外れず、心配しているお母さん、お父さんに、よくかけられる言葉です。
私も、「焦らなくて大丈夫」とお伝えすることがあります。
他の子と比べたり、無理やりトイレに座らせたり、失敗を叱ったり。
そんなふうに、親も子どももつらい思いをしながら、おむつを外す必要はありません。
でも、もう一つ大切なことがあります。
「焦らなくていい」と「何もしなくていい」は、同じではない。
ということです。
■「何もしない」間にも、子どもは経験している
今の日本では、「赤ちゃんのうちはおむつを使い、2歳、3歳くらいになったらトイレトレーニングを始める」という考え方が一般的です。
でも、ここで一つ考えてみてほしいのです。
「焦らないで成長を待つ」ということは、本当に「その間は何もしなくてよい」ことなのでしょうか。
赤ちゃんは、生まれたその日から、毎日何度も排泄しています。
そのたびに、おむつの中でおしっこやうんちをする。
それを毎日、何ヶ月、何年と繰り返していけば、子どもにとって「排泄するのは、おむつの中」という経験が積み重なっていきます。
もちろん、おむつを使うことが悪いわけではありません。私たちの子育てを助けてくれる、とても便利なものです。
ただ、大人が「まだ何もしなくていい」と思っている間にも、子どもは毎日、おむつ排泄の経験を積み重ねているのです。
長い間、おむつで排泄することが当たり前になった、ある日突然、
「そろそろおむつをやめようね。今日からトイレでしよう」
と言っても、簡単には切り替えられないお子さんは少なくありません。
大人から見れば「何もしていなかった期間」でも、子どもにとっては、毎日毎日、おむつ排泄の経験を重ねていた期間なのです。
■ だから、0歳からトイレトレーニング?
いいえ、そうではありません。
赤ちゃんに、トイレで排泄することを「教える」必要も、早くおむつを外そうと頑張る必要もありません。
もっと、ささやかなことです。
排泄するときの表情やしぐさを、ちょっと見てみる。
「おしっこ出たね」「うんち、すっきりしたね」と声をかけてみる。
できそうなときには、おむつを外して排泄する機会をつくってみる。
毎回やらなくてもいい。忙しい日はできなくてもいい。赤ちゃんが嫌がったら、やめればいい。
「ちゃんとやらなきゃ」と思わなくても大丈夫。
おむつの中だけではなく、おむつの外でするという、排泄本来の気持ちよさも、少しずつ経験していく。 身体からおしっこ・うんちが出る「排泄」という自然な営みに、五感を使って気づく経験を少しずつしていく。
それが「0歳からの自然なおむつ外し」です。
■ 排泄を通して、赤ちゃんと通じ合う
そして、実践した親御さんや保育者の方から、何度も聞いてきた言葉があります。
「おむつが早く外れたらいいな...くらいの軽い気持ちで始めましたが、やってみたら、赤ちゃんとこんなにコミュニケーションがとれるなんて、想像していませんでした」
まだ十分に言葉を話せない赤ちゃんも、表情、声、しぐさ、身体の動きなどで、たくさんのことを伝えています。
排泄のお世話をしながら、その様子に目を向けていると、
「あれ? おしっこかな?」
「さっきモゾモゾしていたのは、うんちが出そうだったんだ!」
と、少しずつその子のことがわかるようになっていく。
そして、それに応えることで、赤ちゃんの間に、言葉がなくても「伝わった」「わかってもらえた」というやりとりが生まれていく。
「子どもが機嫌よく過ごす時間が増えた」 「子どものことが以前よりわかるようになった」 「子育てや保育に自信が持てるようになった」 という声もよくいただきます。
「トイレトレーニングらしいことはしなかったけれど、いつの間にか自然におむつが外れていました」 という声を聞くことも少なくありません。
■ 困ってからではなく、もっと早くから
こどもと家族の排泄サポート研究所では、「3歳からの幸せおむつ外しアドバイザー養成講座」も、最近、開講するようになりました。
「3歳、4歳、5歳を過ぎても、昼間のおむつが外れません」
「おしっこはトイレでできるのに、うんちだけは紙おむつでないとできません」
そんなご相談が、とても多く寄せられるようになったからです。
もちろん、3歳でも4歳でも5歳でも、遅すぎることはありません。 この「3歳~講座」では、その子の気持ちや発達に寄り添いながら、親子ができるだけストレス少なく取り組む方法をお伝えしています。
でも、たくさんのご相談に接する中で、同時に思うのです。
できることなら、親子が排泄のことで困り果ててからではなく、もっと早い時期から、排泄と心地よく付き合うことができたら。
そのためにできることは、0歳からたくさんあります。
■ 自然なおむつ外しのことを知っている人が、親子のそばにいたら...
何ヶ月くらいからできるの?
おまるは必要?
紙おむつを使いながらでもできる?
保育園に通っていてもできる?
嫌がったらどうする?
こうしたことを、その親子に合った形で伝えられる人が身近にいたら、子どもの排泄をめぐる風景は、きっと少しずつ変わっていくと思うのです。
そんな人を、もっと増やしていきたい。
その思いから、こどもと家族の排泄サポート研究所では、「0歳からの自然なおむつ外しアドバイザー養成講座」を毎年開講しています。
この講座を始めて10年。
関連講座等も含め、全国・海外から約3,000名の方に学んでいただきました。
講座でお伝えしているのは、 「早くおむつを外す方法」 ではありません。
子どもの身体の感覚を大切にしながら、その子の発達に合わせて排泄に寄り添うための「知識と方法」です。
「焦らなくていい」
それは、本当にその通りです。
でも、「何もしなくていい」わけではありません。
大人が「待っている」間にも、子どもの排泄の経験は、毎日積み重なっていきます。
だからこそ、頑張りすぎず、無理をせず、今できることから。
0歳から子どもの排泄に寄り添ってみると、そこには、「おむつを外す」だけではない、赤ちゃんと通じ合う喜びや、「排泄自立」という子どもの身体の育ちを見守ることで出会える、豊かな世界があることに気づいていきます。
私は、その世界をもっとたくさんの親子に、そして子どもたちに関わる人たちに、知っていただけたらと願っています。 ーーーーーーー
文責:和田智代(一般社団法人 こどもと家族の排泄サポート研究所 代表理事)
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