このタイトルで、人は来るのかな?―宮崎で実感した、20年かけて社会が変わり始めていること―
- 18 分前
- 読了時間: 6分

■宮崎で気づいた、20年越しの変化
先日、宮崎県で、子育て中のご家族&子育て支援職を対象としたお話会を開催しました。
タイトルは、
「排泄に寄り添うと、子育てはもっとラクに、豊かに、楽しくなる ~『出していいんだ』が未来を育てる~」
です。
実は、このタイトルを考えたのは、私ではありません。
今回のお話会を企画してくれた、「0歳からの自然なおむつ外しアドバイザー」の皆さんでした。
■「これは本当に伝わるのだろうか…」という不安
このタイトル案を初めて聞いた時、私は正直、不安になりました。
「これは、私が本当に伝えたいこと、そのもの。」
そう思った一方で、
「...でも、このタイトルで、一般のお母さんたちは来てくれるのかな?」
と思ったのです。
というのも、これまで私が一般向けに行ってきた講演会は、
「赤ちゃんとおむつの話」
「おむつに頼りすぎない育児」
など、もっと内容が想像しやすい、ストレートなタイトルばかりでした。
一方で今回は、「排泄に寄り添う」という少し抽象的な言葉から始まるタイトル。
アドバイザー養成講座を受講した方なら、
「ああ、あのことね」
と分かる言葉です。
でも、初めて私の話を聞く一般の方にとっては、少し難しいのではないか…。
そんな心配がありました。
■アドバイザーの「肌感覚」を信じてみよう
それでも最後は、
「私より、今のお母さんたちの近くにいるのは、アドバイザーの皆さんだ。」
と思いました。
日々、地域で活動し、お母さんたちの声を聞いているのは、私ではなくアドバイザーです。
だったら、その肌感覚を信じてみよう。
そう思って、このタイトルでお願いすることにしました。

■結果は、予想を超える大盛況
すると…。
募集が始まると、予想を超える申し込みが入り、定員を超えるほどに。
当日も、とても温かく、笑顔あふれる時間になりました。
その様子を見ながら、私は心の中で思いました。
「私が間違っていた。」
そして、
「私の感覚は、少し古くなっていたんだな。」
とも思いました。

■私の時計は、6年前で止まっていた
よく考えてみると、一般の向けの対面講演会は、コロナ禍以降、私はほとんど開催していませんでした。
気づけば約6年。
私は6年前の感覚のまま、
「一般の人には、もっと分かりやすいタイトルじゃないと伝わらない」
と思い込んでいたのです。
■この6年間、社会は少しずつ変わっていた
でも、この6年間、止まっていたのは私だけでした。
全国、そして海外でも、たくさんのアドバイザーさんたちが、それぞれの地域で、
「排泄に寄り添うってどういうこと?」
「子どもの排泄を大切にするってどういうこと?」
を、本当に根気よく、丁寧に伝え続けてくれていました。
講座を開き、
相談に乗り、
保育園で話し、
助産院で伝え、
SNSで発信し...
一人ひとりのお母さんやお父さんと、子育て支援者の方々と、向き合い続けてくれました。
その積み重ねがあったからこそ、
今回のような、一見すると抽象的なタイトルにも、
「なんだか気になる」
「聞いてみたい」
と感じてくださる方が増えてきたのではないか。
そんなことを思いました。

■私が本当に伝えたかったこと
今回のお話会では、排泄の話だけをしたのではありません。
「どう育てたいか」ではなく、
「どう育っているか」というメガネで子どもを見ること。
おむつの話を入り口に、
子どもの身体を信じること、
育つ力を信じること、
そして、「出していいんだ」という安心感が、子どもの未来を育てていくこと。
そんな、私が20年近く伝え続けてきた本質を、お話ししました。
このタイトルを見て集まってくださった皆さんは、その本質を受け取る準備が、すでにできていたのかもしれません。
そう思うと、とても胸が熱くなりました。
■「排泄の尊厳」が少しずつ社会に根づいてきた
私たちは、
「排泄の尊厳が大切にされる社会」
を目指して活動しています。
20年前、この言葉を口にすると、不思議そうな顔をされることも少なくありませんでした。
でも今は少しずつ、
「排泄って、生きることなんですね。」
「子どもを見る目が変わりました。」
そんな言葉をかけてもらえることが増えています。
社会は、一気には変わりません。
けれど、人の意識は、確実に変わっていく。
今回の宮崎でのお話会は、そのことを実感させてもらえた、本当にうれしい時間でした。

■全国・海外で活動するアドバイザーの皆さんへ
そして何より、この変化をつくってくれたのは、全国、そして海外で活動してくれている大勢のアドバイザーの皆さんです。
私一人の力では、とてもここまでは来られませんでした。
皆さんが、それぞれの地域で、一人ひとりの親子に寄り添い続けてくれたからこそ、今回の景色がありました。
本当にありがとうございます。
このブログを読んでくださっているアドバイザーの皆さんへ。
皆さんが日々積み重ねている小さな一歩は、確実に社会を変えています。
目の前では変化が見えず、「本当に意味があるのかな」と思う日もあるかもしれません。
でも、今回の宮崎で、私ははっきりと感じました。 皆さんが届け続けてくれた言葉は、ちゃんと人の心に届いていました。
「排泄の尊厳が大切にされる社会」は、もう始まっています。
これからも一緒に、その未来を育てていけたら嬉しいです。

文責:和田智代(一般社団法人 こどもと家族の排泄サポート研究所 代表理事)
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