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モンテッソーリ教育では、なぜ「トイレトレーニング」と呼ばないのか?

  • 6月8日
  • 読了時間: 7分

更新日:6月9日



モンテッソーリ教育では、なぜ「トイレトレーニング」ではなく「トイレット・ラーニング」と呼ぶのでしょうか。子ども主体の排泄自立という視点から、自然なおむつ外しとの共通点を解説します。
モンテッソーリ教育では、なぜ「トイレトレーニング」ではなく「トイレット・ラーニング」と呼ぶのでしょうか。子ども主体の排泄自立という視点から、自然なおむつ外しとの共通点を解説します。


■ 0歳からのモンテッソーリ教育



「0歳からの自然なおむつ外し(おむつなし育児)の考え方は、モンテッソーリ教育と通じるものがありますね」


モンテッソーリ教師の方々から、私はそんな言葉をいただくことがよくあります。


実際に近年、「0歳からの自然なおむつ外しアドバイザー養成講座」を受講されるモンテッソーリ教師の方がじわじわ増えています。


そのお一人が、『0歳と1歳のモンテッソーリ子育て』『モンテッソーリでわかるイヤイヤ期の子どものたすけ方』の著者である、あべようこさんです。 あべさんは、モンテッソーリ教育をベースにした教育施設『モンテッソーリ・ファーム』の代表をされています。


モンテッソーリ教育というと、日本では「幼児教育」のイメージが強いかもしれません。


しかし実際には、乳児期から高齢期まで、人の発達全体を見据えた教育・支援の考え方として世界中で実践されています。


特にあべさんの著書は、「モンテッソーリ教育に興味はあるけれど難しそう」と感じている方にもおすすめです。


著者ご本人によるマンガやイラストが豊富で、とても読みやすく、日々の子育ての中で実践しやすい形でモンテッソーリの考え方が紹介されています。


そして実は、この2冊の中で「おむつなし育児(自然なおむつ外し)」や「子ども主体の排泄自立」についても取り上げていただいています。


私はそれがとても嬉しかったのです。


なぜなら、モンテッソーリ教育と自然なおむつ外しには、根っこの部分に共通する大切な価値観があるからです。

 


👇モンテッソーリ教育0歳からの自然なおむつ外し(おむつなし育児)の関係(0歳と1歳のモンテッソーリ教育/河出書房新社)





👇自然なおむつ外しの考え方をベースにした2歳以降のトイレトレーニング(モンテッソーリでわかるイヤイヤ期の子どものたすけ方/河出書房新社)






■ 共通点は「子どもの主体性」


モンテッソーリ教育と自然なおむつ外し。


一見すると別のテーマのように見えるかもしれません。


しかし両者に共通しているのは、「子どもの主体性を大切にする」という考え方です。


一般的なトイレトレーニングでは、


「子どもがトイレで排泄できるように、大人が教える」


という発想が中心になります。


もちろん、それ自体が悪いわけではありません。


ただ、「トレーニング」という言葉には、どうしても大人が主導し、子どもを導くイメージが含まれています。


一方で、自然なおむつ外しの考え方は少し異なります。


赤ちゃんは生まれた時から、自分の体の感覚を感じ取る力を持っています。


その力が自然に育っていくように、大人は環境を整え、必要なサポートをする。


主役はあくまでも子どもです。


大人は前に立って引っ張るのではなく、後ろから支える存在になります。


この考え方は、モンテッソーリ教育の有名な言葉、

「自分でできるように手伝ってね」

と深く重なります。


だからモンテッソーリ教育では、「トイレトレーニング」ではなく、

トイレット・ラーニング(Toilet Learning)

という表現が使われます。


トレーニング(訓練)ではなく、ラーニング(学び)。


子ども自身が、自分の体を理解し、自ら学び、自ら成長していくプロセスを大切にしているのです。



■ なぜ排泄だけが置き去りになってしまうのか


近年、乳幼児教育の世界では「子どもの主体性」がますます重視されるようになってきました。


遊びも、食事も、学びも。


子どもの気持ちや意欲を尊重しながら関わることが当たり前になりつつあります。


ところが不思議なことに、「排泄」だけは今もなお、大人主導で考えられることが少なくありません。


いつ始めるか。

いつ外すか。

どの方法で進めるか。


気づくと、大人の都合や不安が中心になってしまうことがあります。


もちろん、保護者の皆さんも忙しい毎日の中で一生懸命です。


だからこそ、「どうすればうまくいくの?」という情報を求めるのは自然なことです。


しかし本来、排泄の自立は子ども自身の発達のプロセスです。


そのことを忘れてしまうと、トイレトレーニングが親子にとって苦しい時間になってしまうことがあります。



■ 赤ちゃんは本来、どんな力を持って生まれてくるのか


世界には今も、おむつをほとんど使わずに子育てをしている地域があります。


アジアやアフリカの一部地域では、養育者が赤ちゃんの様子をよく観察し、排泄のタイミングを自然に感じ取りながら育児をしています。


そこでは特別な理論やテクニックではなく、赤ちゃんとの日々の関わりの中で、排泄もコミュニケーションの一つとして捉えられています。


そのため、「トイレトレーニング」という概念自体が存在しないこともあります。


一方、現代の日本では、私たちは多くの情報に囲まれています。


育児書、SNS、動画、ネット記事。


便利になった反面、自分の目の前にいるわが子を観察するよりも、「正解探し」に夢中になってしまうこともあります。


実は私自身もそうでした。


たくさんの情報を集めながら子育てをしていたにもかかわらず、息子のトイレトレーニングを大きくこじらせてしまった経験があります。


だからこそ今、強く思うのです。


もっと多くの人に、

「赤ちゃんは本来どんな排泄能力を持って生まれてくるのか」

を知ってほしい。


排泄のお世話を単なる作業ではなく、親子のコミュニケーションとして楽しんでほしい。


そして、親子ともに、苦しいトイレトレーニングを経験しなくてすむ人が増えてほしい。


そんな願いから生まれたのが、

です。


■ 子ども主体の排泄自立を学びたい方へ


この講座は開講から11年。


保護者の方はもちろん、保育士、幼稚園教諭、助産師、保健師、看護師など、全国そして海外を含めて2,500名を超える方々に学んでいただいています。


今回ご紹介した「あべようこさん」のようなモンテッソーリ教育に関わる方々が受講されているのも、「子どもの主体性を大切にしたい」という共通の願いがあるからなのかもしれません。


もしあなたが、


「トイレトレーニングをもっと穏やかに進めたい」


「子どもの発達に沿った排泄自立について知りたい」


「排泄を通じた親子のコミュニケーションを大切にしたい」


そう感じているなら、自然なおむつ外しの世界を少しのぞいてみませんか。


きっとそこには、私たち大人が思っている以上に豊かな、子どもたちの力が見えてくるはずです。




文責:和田智代(一般社団法人 こどもと家族の排泄サポート研究所 代表理事) 




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