【開催報告】「ドイツのおむつ助成から考える子育て支援と自治体の可能性」オンラインお話会
- 8月5日
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ドイツ在住、0歳からの自然なおむつ外しアドバイザーの鳥井さきえです。
2024年から、0歳からの自然なおむつ外しの講座を、子育て支援センター(ファミリーセンター)やカルチャーセンター(VHS)で開講しています。
今回、子育て支援や環境問題と向き合うドイツの自治体の事例を伝えるお話会を開催しました。
「布おむつの助成なんてあるんだ。ふ~ん」
今から8年前、南ドイツの片隅にある人口約1万3千人の町に引っ越してきたときのことです。
自治体からもらったパンフレットの一つに「布おむつ助成制度」の案内が載っていましたが、当時2歳半と8か月の子どもを育てていた私にとって、おむつといえば紙おむつ一択。
その制度への反応は、この程度でした。
それから4年。3人目の育児で偶然「0歳からの自然なおむつ外し」に出会い、初めて布おむつにも挑戦しました。
自分が布おむつユーザーになってみると、今度はあの「布おむつ助成制度」が急に気になり始めました。
2年前、自治体の廃棄物処理課を訪ね、「布おむつ助成制度について、もっと詳しく教えてください」と担当者にインタビューをしました。
そのときから、いつか日本の皆さんにも、この制度の背景や考え方を伝えたいと思っていました。
ようやく実現したお話会
今回司会とビジュアルを担当してくれた松坂愛友美さんも、0歳からの自然なおむつ外しアドバイザー。
ドイツ・ベルリンで、堆肥化できるあかちゃんのおむつを開発する会社DYCLE(ダイクル)の共同代表をしています。
そんな彼女をはじめ、多くの方のご協力のおかげで、このたび2026年7月10日に、オンラインお話会「ドイツのおむつ助成から考える子育て支援と自治体の可能性」を開催することができました。
当日は、こどもと家族の排泄サポート研究所のアドバイザーをはじめ、地方自治体職員、医療・保育・教育関係者など、多様な立場の方々にご参加いただきました。
今回のお話会では、「ドイツでは布おむつが助成される」という制度そのものだけではなく、
なぜその制度が生まれたのか
自治体が抱える課題と取り組み
Familienzentrum(ファミリーセンター)をはじめとする地域のボトムアップ型の子育て支援
日本にも共通する課題から、どんなヒントを得られるのか
といったテーマについて、ドイツ・バイエルン州ヴァッサーブルク市やハール市の事例を交えながらご紹介しました。
また、スペシャルゲストとして登壇してくださった和田智代代表には、ニュージーランドの布おむつ助成制度についてお話しいただきました。
企業や保育現場と連携して進められているニュージーランドの、ドイツとは異なるアプローチを知ることができ、私自身にとっても大変学びの多い時間となりました。
制度だけを見ると、日本とドイツには多くの違いがあります。
一方で、
「自治体だけでは子育て支援を担いきれない」
「少子化や財政制約の中で、持続可能な仕組みが求められている」
という課題は共通しています。
だからこそ、海外事例を知ること、伝えることには大きな意味があると改めて感じました。
質疑応答では多くのご意見やご質問をいただき、参加者の皆さんと一緒に考える時間となりました。
そして終了後には、「まだ話し足りないですね」と自然に残った方々との間で、今の子育て支援の課題やこれからのあり方について語り合う、まるで二次会のような時間も生まれました。
参加者の皆さまの声
終了後のアンケートでは、「ドイツの制度を知ることができた」というだけでなく、「日本ではどうだろう?」と、自分自身の活動や地域について考え始めたという声を多くいただきました。
「行政に働きかけたい気持ちが湧いてきました」
「地道に活動を続けようと思えました」
「今すぐ何か、ということではないですが、知らなかった世界を知ることができて興味深い時間でした」
また、
「布おむつ助成が子育て支援ではなく環境政策から始まっていることが新鮮だった」
「排泄コミュニケーションや布おむつを『消費者教育』の一環として伝えるのが、ドイツらしいと感じた」
「日本のごみ問題や使い捨て文化について改めて考えたい」
といった感想も寄せられました。
最後に
私自身が今回お伝えしたかったのは、「布おむつ助成制度のあるドイツが正解」ということではありません。
ドイツもまた、試行錯誤を重ねながら、それぞれの地域で人や制度を育てています。
その背景を知ることで、日本の子育て支援や地域づくりを考える新しい視点が生まれたなら、とても嬉しく思います。
8年前、「布おむつの助成なんてあるんだ。ふ~ん。」と何気なく眺めていた一枚のパンフレット。
その制度の背景を調べ、日本の皆さんと一緒に考えるお話会を開くことになるとは、当時の私は想像もしていませんでした。
これからも、ドイツで現場を見て、話を聞き、小さな気づきを一つひとつ丁寧に拾い集めながら、日本の皆さんと一緒に考える場をつくっていきたいと思います。
